クールな社長の耽溺ジェラシー
「おっ、ちょ……新野さん、声かけられてる」
「え? に、新野さんに?」
「誘われてんのかな? どうすんだろ」
心配する私とは対照的に、広瀬さんは興奮気味に声をあげ、好奇心いっぱいに新野さんを見守っていた。
「誘われたって、興味ないんじゃないですか?」
私という彼女がいるから……と胸を張れる自信はまだないけれど、本質を見抜く新野さんなら外見に騙されない。
そう思うのに、やっぱり気になって広瀬さんの視線のさきを追った。
「あ、あの人……」
新野さんに声をかけているのは、グレーのスーツに身を包んだ長い髪の女性で、数日前に偶然鉢合わせした広告代理店の高羽さんだった。
「知ってる人?」
「いえ、私というより新野さんの知り合いです」
「見た感じだと広告代理店か。……あ、正司さん呼んでるから行くわ」
野生の勘でも働いたのか、それとも飲み会の経験からか。
女性の職業を見抜くと、建物の中から呼ぶ正司さんを見つけて走っていった。
私がその場で立ち尽くしていると、新野さんに軽くあしらわれた高羽さんが私を見つけて歩み寄ってきた。