Sweet moments ~甘いひと時~
手を握られたまま、大きい会場の扉を開け中へと入っていく。
エントランスとは比にならない程の人の数。
すぐさま、大勢の人に囲まれる。
「前園社長、この度はおめでとうございます。」
「いや、本当にめでたい。貴方しかいないと思っていましたよ。」
「業績も素晴らしいですなぁ。」
「貴方が継いでいかれるなら、経済は安泰ですな!」
『いえ、恐縮です。これも全て皆様のお力添えがあってこそです。まだまだ若輩者ではありますが、今後も宜しくお願いいたします。』
何故か沢山の祝福を受ける彼。
その横顔は無表情で、まるで知らない人を見ているようだった。