Sweet moments ~甘いひと時~
『彼女は仕事とは全く関係のない普通の一般家庭で育った女性ですよ。結婚相手がどこの出かなんてそんな事どうでもいいです。彼女は私が初めて愛する事が出来た特別な女性ですから。』
そう言って今度は髪にキスを落とす。
どよめく会場。
あの〝maezonoカンパニー〟のトップが何処ぞの庶民の女を連れ来て、終いには婚約者だと言い放ったのだ。
これを驚かずにはいられないだろう。
『パティシエである彼女が、私の仕事に関わる事はないと思いますが今後も彼女も同様に、宜しくお願い致します。』
深々と頭を下げた。
彼のその姿を見て、慌てて一礼すると強く手を引かれて大勢の人に背を向け引きづられる様にその場を後にした。