Sweet moments ~甘いひと時~


「私の知るその人は、誰もが憧れるほど出来る男で隙など他人に見せた事がない人でした。でも、、何処かに人間味がなくてまるで感情のないロボットのようでした。一緒に仕事をする事が多くなり、その人のある変化に気づいたのです。感性が鋭いほうでしたから他の人間では気づかないくらいの小さな変化です。食事をする時間もないその人が決まって同じ時間に出かけて行くのです。その横顔は穏やかで、初めて見たその表情に驚きました。それが3年ほど続き最近では、色んな表情を見る機会が増えました。そんな彼の変化に間宮さんも気づいておられました。見る見る業績を上げるその人に間宮さんは後継者として指名し、その人は寝る間も惜しんで働きました。普通の人間だったら逃げ出しているようなその殺人的スケジュールと仕事量に彼は必死についていきました。間宮さんは、支えがあるからだろうとそんな事を仰っていましたね。」


静かに耳を傾けたその話は、独り言というよりも彼の話をしているように聞こえた。




「、、支えですか。分かります。私も心の支えがあったらこそ、生きてこれましたから。。」
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