Sweet moments ~甘いひと時~
背中をポンポンと優しく叩くその間宮社長の仕草が、昔よく雅彦さんがしてくれた仕草と重なってより一層声をあげた。
「あのケーキと2人の人柄は、ワシらだけじゃなくロボットのようだったあやつにもいい影響を与えたんじゃよ。、、だから舞華ちゃんが作るケーキの味は、あやつにとっても思い出の味という訳じゃ。雅彦の葬式に来たあやつは、酷く悲しそうな顔をしておった。」
パティシエを目指し始めてから、時間を見つけては〝ケーキショップ さかい〟のケーキの作り方を真剣に学んだ。
少しでもあの味に近づきたくて、使っている材料、工程を必死に習った。
たまたま興味本位で立ち寄ったであろう小さなケーキショップに彼が通い続けてくれたという事は、あの味に近づけていたのだと思えて嬉しかった。
そして彼の心の支えであったあのケーキの味を再現出来るのは、世界で私しかいないんだ。