バイバイ☆ダーリン 恋心編  番外編完結しました

花音の幸せそうな話題を聞いて、理人は本当に嬉しかったのだが、国府宮の名前を思い出して、

『あの時、いつも花音に寄り添っていたアイツか…』

そうか、そうだったかと安堵したような表情を見せる理人に、悠輝は以前とは違う友人の姿に、彼は立ち直れると確信したのだ。

取り敢えずビールで久々の再会に乾杯して、焼き鳥を美味しそうに頬張る理人と、また笑顔で会えて良かったと、悠輝は心からそう感じている。

ビールも何杯目かになった頃、突然、理人が居住まいを正して悠輝に向き直った。

『あのな、お前に話しておきたいことがあるんだ。優花のことなんだが…』

そう話す理人に、悠輝は頷いて静かに聞いている。

『帰国の翌日、優花の家に会いに行ったんだ。』

アメリカからの優花への電話のことや、彼女に会いに行ってとても反省していたこと、そして、まだお互いに愛情があることを悠輝に伝えた。

それから理人は、嵯峨野家側が優花とのことを不快に思うのではと心配していることも話した。

フウッとひと息吐いて、悠輝は微笑んで言う。

『もう気にするなとは言わない。だってな、あれだけのことをお前達はしたんだ。けどな、お前達にだって、幸せを掴む権利はいくらでもあるんだぞ。もう同じ間違いを繰り返さないように頑張れよ』

理人は胸が熱くなった。

小さな頃から共に学び、共に悪さをして一緒に過ごして来た二人が、あの事件で、とうとう袂を分かつことになって、寂しい思いをしたことは忘れられない。

まあその原因を作った張本人が理人なのだから、文句など言えなかったのだが…。

理人は、もう誰も傷つけたりしないと、心に決めたのだった。

< 103 / 150 >

この作品をシェア

pagetop