バイバイ☆ダーリン 恋心編 番外編完結しました

とうとう優花の初登校の日がやって来たのだが、優花本人ではなくて両親の方が緊張しているようだ。

まるで初めて小学校にあがる幼い子供でも見るように、不安げで心配そうな表情を見せている。

『お父さんお母さん、大丈夫！ちゃんとやってみせるから』

明るく話す優花に、少し落ち着きを見せる両親にほっと一息吐き、じゃあそろそろ行ってきますと元気に言うと、父に見送られて母の運転する車で隣町の小学校を目指す。

《私も運転免許取りたいな》

少しずつだけれども、前向きに歩き出した優花を、チラリと横目で見た母はこっそりと目に涙を浮かべた。

20分程で目的地までやって来た。

小学校の職員駐車場に車を停めた母は、頑張るのよと涙目になっている。

ハイと返事して、母に気を付けて帰ってねと告げると、以前のようにニッコリ笑う美しい母の表情を見て、優花は苦しくなった。

《この表情を奪ったのは私だ…》

車を見送り、玄関に向かっって歩いていると、太田が挨拶してくる。

おはようございますと元気に応える優花に、安堵したのか太田は和らいだ顔つきになった。