お見合いだけど、恋することからはじめよう
「へぇ、水野局長って九州男児なんだ。
やっぱり、うちの中じゃ男尊女卑なの?」
諒くんは一口餃子をつまんだ。
「あ、これも旨いな」とつぶやく。
あたしは首を振る。
「鹿児島とか熊本とかの男の人はそうなんでしょうけど、博多など福岡の男の人は人前ではエラそうにいっぱしのことを言うくせに、なんかあったときには、調子よくひょいっと女の人に丸投げしますからねぇ。
あぁ見えて実はヘタレで、いざとなったら女の世話になんなきゃいけないんで、心の中では頭が上がらないって思ってるはずですよ。
いずれにせよ、そういう環境なので『九州の女』は北も南も関係なく、辛抱づよくなりますねぇ」
あたしはラーメン鉢ごと持ち上げ、ずずっと啜った。
そして、どんっ、と鉢をテーブルに置いて、
「やけん、なぁんエラそうに『九州男児』ば言うとぅとや?うちから見っと、どっちも都合の良かときばこぉかりしくさる、せからしか男らったい」
と、低ーい声で吐き捨てるように言った。
まぁ、かなり「個人の(体験による)感想」が入っているのは否めないんだけどね。
……やっぱり、あたしに流れる血の半分は「東京」だから、九州の女の人たちのように耐え忍ぶなんて、到底できないや。