お見合いだけど、恋することからはじめよう
「えっと……七海ちゃん、ほんとに他愛のない話だよ。それこそ、覚えてないくらい」
朝比奈さん……彩乃さんが口ごもりながら答える。
「えーっ、副社長を相手にしてですか?
すっごいイケメンだから、話していると緊張してどきどきしたりしません?」
あたしなんて、副社長と話すどころかお顔を拝見するだけで、動悸・息切れ・めまいだよ?
しかし、彩乃さんは首を振った。
「結婚したら日常生活になるんだから、それこそ他愛のない普通の会話で、しちめんどくさい小難しい話なんて、しないんじゃないの?」
大橋さんが平然と言った。