お見合いだけど、恋することからはじめよう

『……まさか、武田さんまで戻ってくることはないと思うけど』

友佳は忌々しげに唸った。

「あれから、もう三年だよ?
赤木さんはなにも言わなかったけど、桃子さんと結婚しててもおかしくないよ。
あの人だったら、寿退社してるんじゃない?」

……赤木さんの東京出張には、ついてきたみたいだけどね。

『とにかく気を許すんじゃないよ、ななみん』

「うん、わかってる。
別にもう、赤木さんから謝ってもらいたいわけじゃないし。たとえ東京に戻ってきたとしても、関わらないようにする」

あたしはそう言って、LINE通話を終えた。

いつの間にか青山通りにさしかかっていて、メトロの表参道駅がすぐ前にあった。

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