お見合いだけど、恋することからはじめよう
あたしたちはお互いアラサーで、これが初めての恋ではない。もちろん、お互い童貞でも処女でもない。
今までにしてきた数々の失敗の上に、現在のお互いがある。大切なのは、過去ではなく、現在、そして未来である。
諒くんの過去がどうだったかは知らない。
本人が「ドン引き」っていうくらいだし、周りの人の様子から察すると……相当だったんだろう。
だけど、変えることのできない過去のことを今さら言ったってどうしようもない。
それこそ「お互いさま」だ。
そんなことよりも(カラダの相性は抜群に良いとはいえども)あたしたちは出逢ったばかりだ。
お互いのことはたぶん……結婚してからじっくりと知ることになるだろう。
もしかしたら、お互いに、
「こんなはずじゃなかった」
「こんな人だとは思わなかった」
と、思ったり思われたりするかもしれない。
……それでも。
あたしは諒くんと一緒に人生を歩んでいきたい。
そして、そう思う気持ちはきっと……諒くんも同じだと信じてる。