カラダから、はじまる。
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結婚式の二次会は、松濤にある隠れ家的な雰囲気を持つイタリアン・レストランだった。

田中の昔からの知人が営んでいるお店の一つで、横浜の旧居留地にあった明治時代のイギリス商人の邸宅を移築してオープンしたらしい、と七海は言っていた。

ヴィクトリアン様式の大きくて細長いテーブルの上に並べられたビュッフェスタイルのお料理は、どれも美しく盛りつけられていて、ものすごく美味(おい)しそうだ。

だが、残念ながら先刻(さっき)までの披露宴ですっかりお腹がくちくなってしまったので、専らお酒ばかりを呑んでいた。乾杯の際に配られたスプマンテから、白、ロゼ、赤と、しっかり堪能している。

わたしはきょろきょろと周囲を見渡した。
本宮を探しているのに、姿が見えない。

……こんなに美味しいお酒と、それに合うアンティパストがふんだんにあるっていうのに、ここを途中で抜けるなんて、ちょっとありえないんだけれども。

だから、正直言って彼が『話したい』と言っていた「話」は、また今度別の日にでもしてもらいたかった。


「……おねえちゃん」

声がして振り向くと、ベビーピンクのAラインのノースリーブワンピースを纏った七海が立っていた。

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