触って、抱いて、もっと愛して。臆病な令嬢は貴公子の一途な熱情に蕩かされました(原題「その身体に触れたら、負け」)
秋が深まるとともに諸侯がぞくぞくと領地に戻るなか、オリヴィアは公爵家の屋敷の応接間で、リリアナの素っ頓狂な声に苦笑した。二人とも、まだ王都に残っているのだ。
「結婚って!」
自身の結婚式の招待状を自ら渡しに来てくれたリリアナに、自分も同じ時期に結婚することになったと告げたのである。
「どうしてそんなに急に? もしかして公爵様にむりやり決められたの?」
「ううん、私から頼んだの。グレアム家の遠縁の方だそうだわ。二十も年上の方なのだけど……ほら、私ももうすぐ二十歳だもの」
アルディスでは女性は二十歳を過ぎるといわゆる「売れ残り」の扱いを受ける。求婚の数も激減し、よほどのことがないと縁談が整わなくなるのだ。フリークスでなら「結婚しない」選択もあっただろうけれど、養女の身で望めることではない。
これまで何度も訪ねて来てくれた彼女は今やオリヴィア自身にとっても大事な友人だ。その友人が泣きそうな顔をするから、彼女はかえって微笑むことができる。
「オリヴィアは本当にいいの?」
「ええ、これでおじ様とおば様に恩返しができるわ。おじ様たちには子供がいないの。婿養子を取らないと公爵家が途絶えてしまうわ」
「結婚って!」
自身の結婚式の招待状を自ら渡しに来てくれたリリアナに、自分も同じ時期に結婚することになったと告げたのである。
「どうしてそんなに急に? もしかして公爵様にむりやり決められたの?」
「ううん、私から頼んだの。グレアム家の遠縁の方だそうだわ。二十も年上の方なのだけど……ほら、私ももうすぐ二十歳だもの」
アルディスでは女性は二十歳を過ぎるといわゆる「売れ残り」の扱いを受ける。求婚の数も激減し、よほどのことがないと縁談が整わなくなるのだ。フリークスでなら「結婚しない」選択もあっただろうけれど、養女の身で望めることではない。
これまで何度も訪ねて来てくれた彼女は今やオリヴィア自身にとっても大事な友人だ。その友人が泣きそうな顔をするから、彼女はかえって微笑むことができる。
「オリヴィアは本当にいいの?」
「ええ、これでおじ様とおば様に恩返しができるわ。おじ様たちには子供がいないの。婿養子を取らないと公爵家が途絶えてしまうわ」