触って、抱いて、もっと愛して。臆病な令嬢は貴公子の一途な熱情に蕩かされました(原題「その身体に触れたら、負け」)
フレッドの視線に気づいた彼女がはにかみ、そっと腕の中から抜け出るとドレスの裾をつまんだ。ふぁさ、と夜空の下でチュールを重ねた艶やかな水色が揺れる。そこだけ涼やかな青空が広がった。
「どうですか……? フレッドの瞳の色に合わせたの」
「えっ」
「綺麗な空色でしょう? 見た瞬間に目が吸い寄せられたの。フレッドに包まれているみたいで安心するんです。それにあなたの色をまとえば、『私の心はあなたのものです』と伝わる気がして」
ふふ、と目もとをゆるめて笑うオリヴィアに、フレッドの目は釘付けになった。
咄嗟に言葉が出ない。
ついさきほど王宮で宝石を注文したところである。しかしそれが宝飾品に仕上がる前に、フレッドの願望は拍子抜けするほどあっさり叶えられてしまった。ドレスの仕立てにかかる時間を考えれば、オリヴィアはかなり前からそう思ってくれていたのだろう。
「伝わりました?」
空色を瞳に反射させた彼女が、それはそれは幸せそうに笑う。
自己満足のために、独占欲を満たすために身に着けさせたのではない。オリヴィアがみずから、身に着けたいと思ってくれたのだ。周囲に誇示するためでなく、純粋に自分へ思いを伝えるために。
しかも「フレッドに包まれているみたい」と軽やかに打ち明けてくれる。それがどれだけフレッドの心を浮き立たせたか、オリヴィアはおそらく気づいていない。
「どうですか……? フレッドの瞳の色に合わせたの」
「えっ」
「綺麗な空色でしょう? 見た瞬間に目が吸い寄せられたの。フレッドに包まれているみたいで安心するんです。それにあなたの色をまとえば、『私の心はあなたのものです』と伝わる気がして」
ふふ、と目もとをゆるめて笑うオリヴィアに、フレッドの目は釘付けになった。
咄嗟に言葉が出ない。
ついさきほど王宮で宝石を注文したところである。しかしそれが宝飾品に仕上がる前に、フレッドの願望は拍子抜けするほどあっさり叶えられてしまった。ドレスの仕立てにかかる時間を考えれば、オリヴィアはかなり前からそう思ってくれていたのだろう。
「伝わりました?」
空色を瞳に反射させた彼女が、それはそれは幸せそうに笑う。
自己満足のために、独占欲を満たすために身に着けさせたのではない。オリヴィアがみずから、身に着けたいと思ってくれたのだ。周囲に誇示するためでなく、純粋に自分へ思いを伝えるために。
しかも「フレッドに包まれているみたい」と軽やかに打ち明けてくれる。それがどれだけフレッドの心を浮き立たせたか、オリヴィアはおそらく気づいていない。