触って、抱いて、もっと愛して。臆病な令嬢は貴公子の一途な熱情に蕩かされました(原題「その身体に触れたら、負け」)
もうすぐ年の瀬という時期にフレッドとともに向かった先は、コーンウェル公爵家だった。アルディスの貴族なら知らない者はいない名家だ。オリヴィアは少なからず緊張した。
「やあ、フレッド。来てくれて嬉しいよ」
「サイラス、お招きありがとう。リリアナもごきげんよう。今日は君たちに会えて嬉しいよ」
二人を迎えたのは公爵家の長男だ。くすんだ金の髪に灰色がかった青の瞳と精悍な顔立ちだけれど、その目は人なつこそうに見える。今夜はフレッドの親友だという彼に、晩餐の招待を受けたのだ。
サイラスも人目を惹く容姿だ。けれど漆黒のテイルコートに身を包んだフレッドは、端正な面差しがいっそう際立っている。オリヴィアは先ほどから何度も胸に手を当てなければならなかった。
賭けのことが頭にあったので婚約者として晩餐に出ても良いのか悩んだけれど、そんな彼の気安そうな表情が見られたのは嬉しい。
「こちらが、婚約者殿だね」
「オリヴィア・フリークスと申します。今日はお招きいただき、ありがとうございます」
それぞれ微妙に色彩の異なる紫のシフォンを幾重にも重ね、柔らかながら深みのある色合いになっているドレスの裾をつまんで挨拶をすると、その手をサイラスが取った。条件反射でぴくりと手が震える。思わずフレッドを見上げると、彼が軽くうなずいた。
「やあ、フレッド。来てくれて嬉しいよ」
「サイラス、お招きありがとう。リリアナもごきげんよう。今日は君たちに会えて嬉しいよ」
二人を迎えたのは公爵家の長男だ。くすんだ金の髪に灰色がかった青の瞳と精悍な顔立ちだけれど、その目は人なつこそうに見える。今夜はフレッドの親友だという彼に、晩餐の招待を受けたのだ。
サイラスも人目を惹く容姿だ。けれど漆黒のテイルコートに身を包んだフレッドは、端正な面差しがいっそう際立っている。オリヴィアは先ほどから何度も胸に手を当てなければならなかった。
賭けのことが頭にあったので婚約者として晩餐に出ても良いのか悩んだけれど、そんな彼の気安そうな表情が見られたのは嬉しい。
「こちらが、婚約者殿だね」
「オリヴィア・フリークスと申します。今日はお招きいただき、ありがとうございます」
それぞれ微妙に色彩の異なる紫のシフォンを幾重にも重ね、柔らかながら深みのある色合いになっているドレスの裾をつまんで挨拶をすると、その手をサイラスが取った。条件反射でぴくりと手が震える。思わずフレッドを見上げると、彼が軽くうなずいた。