触って、抱いて、もっと愛して。臆病な令嬢は貴公子の一途な熱情に蕩かされました(原題「その身体に触れたら、負け」)
「でもその娘が好きになったのはフレッドだったんだよな」
「サイラス、もうその辺でいいだろ」
「いやいや、むしろここからじゃないか。でさ、フレッドは当然ほかの男どもから嫉まれたわけだ。アルバーンの騎士が俺たちの姫まで奪う気かって」
「アルバーン家の男子は全員、有事の際には騎士として出仕するものね。上手く言ったものだわ。で、サイラスもその娘が好きだったの?」
リリアナが身を乗り出す。
「まさか、俺はずっとリリアナだけじゃないか」
「ああ、サイラスはずっと面白がって見ていただけさ」
「俺のことはいいんだって。それでね、オリヴィア。その娘がなんだかんだとフレッドの世話を焼くものだから、上級生がフレッドをいびって」
「まあ、いびるだなんて。それでフレッド様はどうなったのですか?」
オリヴィアは眉をひそめた。
「それがさ、オリヴィア。こいつ『自分は騎士にはならない』って言いながらも上級生を伸しちまったんだよなー。さすが、アルバーンの騎士教育を一人前に受けているわけだ」
サイラスがくつくつと笑ってワイングラスを傾ける。
「でもそれを間が悪いことに寮監とその娘に見つかってな。皆まさか娘が原因だとは決まり悪くて言えないし、フレッドもいびられたなんて言わないから、けっきょく全てフレッドが悪いってことになったんだ」
フレッドが苦虫を噛み潰したような顔をして、鴨肉のローストにナイフを入れる。
「サイラス、もうその辺でいいだろ」
「いやいや、むしろここからじゃないか。でさ、フレッドは当然ほかの男どもから嫉まれたわけだ。アルバーンの騎士が俺たちの姫まで奪う気かって」
「アルバーン家の男子は全員、有事の際には騎士として出仕するものね。上手く言ったものだわ。で、サイラスもその娘が好きだったの?」
リリアナが身を乗り出す。
「まさか、俺はずっとリリアナだけじゃないか」
「ああ、サイラスはずっと面白がって見ていただけさ」
「俺のことはいいんだって。それでね、オリヴィア。その娘がなんだかんだとフレッドの世話を焼くものだから、上級生がフレッドをいびって」
「まあ、いびるだなんて。それでフレッド様はどうなったのですか?」
オリヴィアは眉をひそめた。
「それがさ、オリヴィア。こいつ『自分は騎士にはならない』って言いながらも上級生を伸しちまったんだよなー。さすが、アルバーンの騎士教育を一人前に受けているわけだ」
サイラスがくつくつと笑ってワイングラスを傾ける。
「でもそれを間が悪いことに寮監とその娘に見つかってな。皆まさか娘が原因だとは決まり悪くて言えないし、フレッドもいびられたなんて言わないから、けっきょく全てフレッドが悪いってことになったんだ」
フレッドが苦虫を噛み潰したような顔をして、鴨肉のローストにナイフを入れる。