触って、抱いて、もっと愛して。臆病な令嬢は貴公子の一途な熱情に蕩かされました(原題「その身体に触れたら、負け」)
「君が味方してくれても良かったんじゃないか?」
「何言ってるんだ。俺が味方する前に、その娘がお前の味方をしただろ? それをはねつけたのはお前じゃないか」
「その方を庇われたんですか?」
オリヴィアがフレッドに尋ねると、サイラスの方が噴きだした。
「違う違う、あれは庇ったなんてものじゃない。面倒だっただけだろ」
フレッドが眉間に皺を寄せて、「サイラス」と鋭く制止するが彼は止まらない。
「『話がややこしくなるので、出てこないでくれますか。邪魔です』ってね。いやーあれは肝が冷えたわ。その娘は泣きだすし、寮監は娘を泣かせたと怒り狂うし」
サイラスが笑いながら付け合わせの芽キャベツにソースを絡める。
オリヴィアは申し訳程度にワインに口をつけながら、寮生たちのやり取りを想像した。
「フレッド様は、その女性を好きだったのですか?」
「いや、眼中になかったよ。なあフレッド」
「その気もないのに、その方の気を持たせるようなことをなさったのですか?」
「オリヴィア、ちょっと待ってくれ」
フレッドがうろたえてカトラリーを置いて手を振る。
「向こうが勝手につきまとって……って、淑女がたの反感を買う言い方だな」
「では、フレッド様は被害者じゃないですか。気もないのに中途半端に優しくしたら、後でもっとその方を泣かせることになったのではないかしら。フレッド様は冷たい方ではないと思います……言い方はその、冷たかったかもしれませんけど」
ひと息に言い終えると、三人が虚をつかれた顔をしていた。
「何言ってるんだ。俺が味方する前に、その娘がお前の味方をしただろ? それをはねつけたのはお前じゃないか」
「その方を庇われたんですか?」
オリヴィアがフレッドに尋ねると、サイラスの方が噴きだした。
「違う違う、あれは庇ったなんてものじゃない。面倒だっただけだろ」
フレッドが眉間に皺を寄せて、「サイラス」と鋭く制止するが彼は止まらない。
「『話がややこしくなるので、出てこないでくれますか。邪魔です』ってね。いやーあれは肝が冷えたわ。その娘は泣きだすし、寮監は娘を泣かせたと怒り狂うし」
サイラスが笑いながら付け合わせの芽キャベツにソースを絡める。
オリヴィアは申し訳程度にワインに口をつけながら、寮生たちのやり取りを想像した。
「フレッド様は、その女性を好きだったのですか?」
「いや、眼中になかったよ。なあフレッド」
「その気もないのに、その方の気を持たせるようなことをなさったのですか?」
「オリヴィア、ちょっと待ってくれ」
フレッドがうろたえてカトラリーを置いて手を振る。
「向こうが勝手につきまとって……って、淑女がたの反感を買う言い方だな」
「では、フレッド様は被害者じゃないですか。気もないのに中途半端に優しくしたら、後でもっとその方を泣かせることになったのではないかしら。フレッド様は冷たい方ではないと思います……言い方はその、冷たかったかもしれませんけど」
ひと息に言い終えると、三人が虚をつかれた顔をしていた。