触って、抱いて、もっと愛して。臆病な令嬢は貴公子の一途な熱情に蕩かされました(原題「その身体に触れたら、負け」)
「やだ、私ったら良く知りもしないのに……すみません」
偉そうなことを言ってしまった自分がたまらなく恥ずかしい。オリヴィアは目を伏せた。頬が熱いのを冷まそうと、レモンとバジルのシャーベットに手を伸ばす。皆の顔を見られない。
サイラスがクロスのかかったテーブルをバンバンと叩きながら何か言い、フレッドが言い返す。
「オリヴィア様ったら、やっぱり格好良いですわ。拍手を送りたいくらいよ」
「もう叩いているじゃないか」
「いいのよ」
なんだかいたたまれなくて、オリヴィアは身を縮めてシャーベットをひたすら口に入れる。キンとする冷たさとほどよい酸味が頭を冷やしてくれた。
「それにしても、お前が宰相補佐官を引き受けてくれて助かったよ」
一通り食事と会話を堪能し、デザートであるりんごのタルトにフォークを入れたところで、オリヴィアは驚きに隣のフレッドを凝視した。