無感情なイケメン社員を熱血系に変える方法
「何人声かけてきた?」

お客様の数を確認するかのような彩月の質問に

「5人」

と、照れもせずに駿太郎が返してきた。

「え、そんなに?強者がいたもんだねえ」

「知らない人だから無視した」

「だよねえ」

彩月は、感心したように頷いている。

「彩月は?ここに来るまでの間に何人声かけられた?」

「3人かな?」

握っている手に力が込められる。

「,,,そんな格好してくるから」

「似合わない?」

「逆、可愛すぎ,,,」

駿太郎の耳が赤い。彩月の顔は意図せず真っ赤だ。その様子を見て、駿太郎が僅かに口角を上げた。

"わ、笑った?"

彩月の胸がバクンと音を立てた。

「い、今のは反則」

顔をそらせる彩月に

「何が?」

と、いつもの無表情で駿太郎が聞き返す。

「何でもないよ,,,」

"まだ会って5分も経っていないのに大丈夫か?私"

いつもと違う駿太郎に振り回される予感しかない彩月であった。
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