一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~
私と彬くんの関係は、誰にも話していない。
もし他の人が相手だったら、
彼氏ができた!
なんて自慢しまくると思うけど。

なぜか、話したくなかった。
誰にも言わずに、秘密にしておきたかった。

大切に大切に、隠しておきたかった。

校門をくぐった先は遊歩道のようになっていて、まだ校舎は見えない。
花壇があったり、銅像が立っていたりと、
高校と言うよりも大学のような雰囲気。
でも付属の大学のキャンパスはまた別にあるというのだから、有名私立は想像もつかないほと、私が知る世界とはかけ離れている。

最初に案内してくれたのは図書館。
校舎に内蔵されているのではなく、校舎裏に別館として建っているそう。
洋館のようなこじんまりとした建物の中に入ると、すぐ目に入るお洒落な螺旋階段。
床にはカーペットが敷かれ、足音も響かないようになっている。
彬くん曰く、蔵書数はそれほどでもないらしいんだけど、
毎日こんなところに来られるなんて羨ましいな。

「こんな素敵なところがあるのに、どうして週末はあの図書館に来てるの?」
前に聞いたときははぐらかされてしまった質問を、もう1度してみた。
< 13 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop