一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~
私たちが初めて会話をしたのは、高2のGW頃だったから・・・。

「じゃあ、初めて話した時の、1年近く前から私の事知ってたってこと!?」
「うん。でも全然声かける勇気とかは無かったんだ。」

そうだよね。彬くんはそういうタイプだ。

初めて話したとき、声をかけたのは私からだった。
良く会いますね、って。
彬くんが使っていた参考書で同じ学年っていうのは予想がついていたから話しかけやすかった。

「あの時、さぁーちゃんが話しかけてくれて、すごく嬉しかった。」
「どういたしまして。」

私も覚えてるよ。
あの時の彬くんが私に微笑んでくれたこと。
異性ということは意識せずに、ただ何となく声をかけただけなのに、照れるくらい嬉しかった。


図書館の静けさを後にし、校舎に入った。
教室があって、廊下があって、掲示板があってと、もちろん学校なんだけど
どれもこれも新しく近代的で、私が通う公立のボロ校舎とは大違い。

教室でやっている展示や模擬店を見て周る。
こういうところは高校らしいというか、私の学校と同じような雰囲気がある。

混み合う中を、彬くんと並んで歩く。
学校祭には他校の生徒も多く来ているようで、いろいろな制服を着ている人を見かける。
私と同じようなセーラー服姿の子見かけるので、そんなに目立っているはずはないんだけど、
何故か、あちこちから視線を感じる。

もしかして、後ろ、スカートがめくれてる!?
なんて確認したけど、そんなことは無かった。

彬くんは全く気にしていないようだけど、私は少しづつ、居心地の悪さを感じていた。
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