一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~
その後よろよろと彬くんの元へ戻り、
吹奏楽部のコンサートを聴きに行ったけど、心ここに非ず状態で
彬くんが話しかけてくれていても耳に入らない状態だった。
事実を知る前は一緒にいることが楽しくて、
冗談を言い合ったりも出来たけど、
知ってしまった今では、そんなことできない。
気安く話したりできる相手ではないのだから。
人は皆平等、って学校では教わる。
私だってそう思うし、差別とかはいけないことだと思う。
でも育った環境や経済状態は当然、考え方や価値観にも大きな影響を与える。
彬くんは世界に誇る日本の大企業の御曹司。
対する私は公立通いの母子家庭育ち。
学費免除で通える大学に合格できないと、進学は難しいんじゃないかって思ってる。
そんな私たちに、共通項なんてあるのだろうか?
「さぁーちゃん大丈夫?具合悪い?」
体育館を後にしてからも押し黙っている私に、彬くんが尋ねた。
心配そうに私の顔を覗き込む。
「ちょっと疲れちゃったから、そろそろ帰ろうかな。」
「うん、わかった。」
そんな、残念そうな顔をしないで。
離れるのがつらくなるから。
「僕、片付けとかもあるから送っていけないんだ。ゴメンね。」
2人とも無言のまま校門のところまできて、彬くんが口を開いた。
「ううん、大丈夫。ありがとう。」
平静を装いながらも、まだまだ混乱している私。
きっと私の異変には彬くんもとっくに気づいている。
それでもあえて気づかないふりをしてくれているのも、彼の優しさなんだろうか。
「じゃあ、また図書館でね。」
早く家に帰りたかった。
こんな、夢みたいな非現実的な空間から
早く逃げ出したかった。
吹奏楽部のコンサートを聴きに行ったけど、心ここに非ず状態で
彬くんが話しかけてくれていても耳に入らない状態だった。
事実を知る前は一緒にいることが楽しくて、
冗談を言い合ったりも出来たけど、
知ってしまった今では、そんなことできない。
気安く話したりできる相手ではないのだから。
人は皆平等、って学校では教わる。
私だってそう思うし、差別とかはいけないことだと思う。
でも育った環境や経済状態は当然、考え方や価値観にも大きな影響を与える。
彬くんは世界に誇る日本の大企業の御曹司。
対する私は公立通いの母子家庭育ち。
学費免除で通える大学に合格できないと、進学は難しいんじゃないかって思ってる。
そんな私たちに、共通項なんてあるのだろうか?
「さぁーちゃん大丈夫?具合悪い?」
体育館を後にしてからも押し黙っている私に、彬くんが尋ねた。
心配そうに私の顔を覗き込む。
「ちょっと疲れちゃったから、そろそろ帰ろうかな。」
「うん、わかった。」
そんな、残念そうな顔をしないで。
離れるのがつらくなるから。
「僕、片付けとかもあるから送っていけないんだ。ゴメンね。」
2人とも無言のまま校門のところまできて、彬くんが口を開いた。
「ううん、大丈夫。ありがとう。」
平静を装いながらも、まだまだ混乱している私。
きっと私の異変には彬くんもとっくに気づいている。
それでもあえて気づかないふりをしてくれているのも、彼の優しさなんだろうか。
「じゃあ、また図書館でね。」
早く家に帰りたかった。
こんな、夢みたいな非現実的な空間から
早く逃げ出したかった。