恋華宮廷記〜堅物皇子は幼妻を寵愛する〜
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もうすぐ昼になろうという頃。
皇后の手下たちは、鳴鈴が翠蝶徳妃と皇帝に挨拶を済ませ、星稜王府に向かう馬車に乗り込んだことを確認した。
知らせを受けた馬仁の仲間の盗賊たちは、彼が死んだのは星稜王の策略によるものと吹き込まれていた。
盗賊たちは、門を出た星稜王府の馬車が来るのを、竹藪の中でじっと待つ。
がらがらとうるさい車輪の音が近づいてきた。彼らは一斉に藪の中から弓を射る。矢は馬車のあちこちや、馬の体に命中した。
悲痛な嘶きと混乱した人々の声が人気のない山道にこだまする。星稜王府の歩みが完全に止まった。それを見計らい、合計三十人ほどの盗賊が馬車の前に躍り出た。
「徐妃の身柄を渡せ。そうすればこれ以上の危害は加えん。怪しい動きをすれば、徐妃の体を傷つけるぞ」
剣を抜いた盗賊に囲まれ、兵士たちも両手を上げた。主のいない間に妃を傷つけられるわけにはいかない。
彼らが歯噛みしているのを横目で見ながら、盗賊は馬車の中から妃の腕をつかんで引きずり出そうとした。
しかし。