一途な御曹司に愛されすぎてます
 こんな素敵な男性に思いを告げられて、女心が揺れ動くのはしかたないとは思うけれど、私は康平の件であんなに手痛い目に遭って学んだはずなのに。

 その経験はどこにいったのやらと思うと、さすがに自分が情けない。


 それもこれも、この人が私の理性を超えるほど情熱的なことばかり言うから……。

 こっそりと隣を見上げれば、彼は爽やかな笑顔で庭師さんに労いの言葉をかけている。

 世界的な大企業のトップを張る人物が、現場で汗水垂らして働いている人たちを、きちんと尊重している態度に感じ入った。


 彼自身が従業員に混じって地道にスキルを身に着けた姿勢からみても、決して上っ面の人間関係を取り繕っているわけじゃない。

 共に努力する仲間たちに対して心からの敬意を払っているんだろう。

 そういう男性って、やっぱり人間的に素敵だな……。


 額から鼻筋、そして唇から顎にかけての流れるようなラインを見上げながらしみじみと感心していると、彼が不意にこちらを振り向いた。

 目と目が合った瞬間、一気に両頬に血が集まってカッと火照る。

 やだもう! 反省したそばから見惚れるなんて!

 条件反射のように目を逸らしながら、自分が考えていたことを彼に読まれたような気がして、ますます顔が熱くなった。
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