一途な御曹司に愛されすぎてます
「ゲレンデも遠いし、ショッピングが楽しめるわけでもないしな。なんつーか、レジャーに来てるって実感ができないんだよ」


 鄙びた雰囲気が漂う周囲をグルリと見回して康平がボヤく。

 たしかに康平の言う通り、ここでウィンタースポーツを楽しめるわけじゃないし、リゾートエステが用意されてるわけでもない。

 でもここには、なによりも人の心を熱く揺さぶる美しい日本の原風景がある。


「派手なアクテイビティやショッピングだけが旅行の醍醐味じゃないと思うけど。こういう懐かしい場所で心を綺麗にお洗濯するのも、すごく贅沢な休暇の過ごし方だと思うよ?」


 思うまま素直にそう言ったら、康平がチラリと私を見た。

 その目に不機嫌さが含まれているのを見て、『あー……』と思いながら心の中で縮こまる。

 まずい、つい反論しちゃった。康平気分悪くするかな?
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