一途な御曹司に愛されすぎてます
 怖いんじゃなくて、彼が放つ色香に当てられて背筋が震える。

 生身の男の放つエッセンスが、人形みたいに整った彼の風貌にすごく似合っていて素敵……。

 って、呑気にうっとりしている場合じゃなかった!


『俺とキミ個人の交流』? いや、だからそれはダメなんだってば。

 この話題が出たのならちょうどいい。きちんと話し合って、お断りの意思を伝えないと。


「階上さん、私は……」

「ストップ」


 肩に力を込めて話し始めた私の唇が、彼の指先で覆われて目を丸くした。


「拒否は一切受けつけない。俺は絶対にキミを諦めないと言ったはずだ」


 固くて骨ばった指先が、意外なほど優しく私の唇に触れている。

 皮膚に直接感じる体温の生々しさに心臓が跳ね上がった。

 私の唇の感触を楽しむようにしばらく遊んだ指が、そっと離れていく。

 ドキドキしている私を真っ直ぐ見据えたまま、彼は自分の唇に指先を近づけ、味わうように口づけた。
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