一途な御曹司に愛されすぎてます
 彼の優しさを知るたび、自分の情けなさが身に染みる。

 すごく申し訳なくて、でも彼の気持ちはとてもありがたくて、そして心はますます痺れるように熱くなる。

 切なさと苦しさを持て余す私の目の前で、穏やかに微笑む彼の唇が動いた。


「キミが好きだから。他に理由なんてないさ」


 心臓がギュッと大きな音をたてた。

 灼けるような胸の熱さが限界まで膨らんで、今にも破裂しそうで唇が震える。

 どこまでもシンプルで裏のない真っ直ぐな彼の言葉が、私の心をこんなに満たして溢れ出してしまいそうだ。


 嬉しい。すごくすごく嬉しくてたまらない。

 だから、口を開くと言ってはいけないことを口走ってしまいそうで、唇を強く噛んでこらえた。

 でもきっと彼には、私の本心なんてバレている。

 どうすればいいのかわからなくて、黙ってうつむき続けていたら、階上さんが椅子から立ち上がった。


「少し外を歩かないか? ヴィラタイプの客室に続く路地は、南欧の町を歩いている気分を味わえると評判なんだ」


 彼が私の隣に立ち、そっと肩に手を置く。

「さあ、行こう」
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