一途な御曹司に愛されすぎてます
 彼はそうして、私に言い訳を与えてくれているんだ。

 私がこの先へ進むしかないように彼が仕向けたという、私にとって都合のいい言い訳を。

 本当にズルくて、優しい人。

 やっぱり私、たとえリスクを犯したとしても、この人ともう少し一緒にいたい……。


「さあ、入ろう」

「はい」


 彼に背中を押され、私は部屋の中に入った。

 広い室内は高い天井とレースのカーテンが真っ白で、鮮やかなコバルトブルーの壁とのコントラストがいかにも海辺のリゾート風だ。


 壁際のボードや、ソファーの脇に立つライトスタンドのナチュラルな木目が安堵感を与えてくれる。


 貝殻や青いガラスボトルを使った素敵なインテリアにわくわくしながら視線を移動したら、リビングの向こう側にふたつ並んだベッドが視界に飛び込んできて、シーツの白さに胸がドキリとした。

 見なかったふりして慌てて目を逸らす私の背中に、彼が手を回す。
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