一途な御曹司に愛されすぎてます
「矢島さん、お疲れ様。有意義な提案をしてくれてこちらこそありがとうね」


 小島次長の労いの言葉を合図に、企画提案会議が無事終了。

 営業本部の人たちが次々と立ち上がって会議室から出ていくのを、ひとりひとりに頭を下げながら見送る。

 最後に、私に向かって手を振りながら退室する小島次長に丁寧に頭を下げて、その姿が廊下の向こうに消えるのを確認してから、大きく息を吐いて椅子にドサリと座り込んだ。


 ああ、すごく疲れた! 緊張した!

 企画提案なんて初めてなんだもの。
 プレゼン用の書類作成とかデータ収集とかの勝手もわからなくて手探り状態だったし、通常業務と並行してやってたから、体力も精神力も根こそぎ削られて本当に大変だった。

 これだけの労力を払ってポシャッたら泣くに泣けない。


「淳美、お疲れ。企画通ったんだね。オメデトー!」


 しばらく脱力していたら、同僚の菅原美千留(すがわら みちる)が、大きなお盆を頭上でヒラヒラさせて腰を振りながら会議室に入ってきた。
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