一途な御曹司に愛されすぎてます
「矢島様」

「はいっ」

 不意に振り向いた専務さんに声をかけられて、私はピンと背筋を伸ばして返事をした。


「矢島様には、当ホテルのロイヤルスイートに御宿泊していただきます」

「……はい? ロイヤルスイートぉ!?」


 素っとん狂な声を出しながら操作盤を確認したら、確かに最上階にランプが灯っていて、私は一気に青ざめた。

 うわ、冗談じゃない! たぶんこの人、私を誰かと勘違いしているんだ!


「あの、すみませんが人違いなさっています! 私が予約したのは普通のツインですから!」


 私は目を剥いて弁解した。

 相手の勘違いでこんな凄いホテルのロイヤルなんちゃらに泊まらされて、後から追加料金でも請求されたら破産してしまう!


「降ります! 降ろして!」

「どうぞご安心ください。これは私から矢島様への心ばかりの贈り物です。もちろんこちらから規定以上の料金を請求することもございません」
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