イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
どうしよう。

こんな真っ昼間から一緒にお風呂だなんて・・・恥ずかしすぎる。

でもここでうじうじしていたらきっと早くしろと怒られる。

ええい!どうせ温泉は乳白色だ。

私は決心が鈍る前にと勢いよく服を脱いで温泉に入った。

「建一さん・・・いいですよ」

私が呼んだと同時に風呂の戸が開いた。

なんて早さだ。

私は恥ずかしくて咄嗟に背中を向けてしまった。

「こっちおいで」

後ろから声をかけられ後ろを向いたまま近づくと、逃がすまいと後ろからホールドされた。

「こんな緑に囲まれてた温泉なんて凄ーく贅沢な気分だな」

「はい。連れてきてくれてありがとうございます」

「ゆっくり何度でも浸かって肩が少しでもほぐれるといいな」

「うん」

あれ?意外に普通な建一さんの態度に違和感を感じつつも私たちは露店風呂を満喫した。


お風呂から出てしばらくすると夕飯の時間になった。

「建一さん。このお肉おいしい」

「あっ!これ・・・川魚ですよね。塩加減も絶妙でおいしい~」

「え?これなんだろう。おいしすぎる」

テーブルの上いっぱいに並べられた料理はどれも美味しくて、気がつけば私ひとりで話をしている。

そんな私を建一さんはお酒を飲みながら余裕の笑みを浮かべていた。

「もう!さっきから私ひとりでしゃべってるじゃん。建一さんはどうなの?」

「おいしいよ。それより俺は美味しそうに食べるみずほを見ている方が楽しいよ」

え?またそういう事をいう。

「わ、私だって・・・建一さんの浴衣姿とても素敵です」

色気というのか少しはだけた姿がセクシーで自分の夫とは思えない。

「それをいうならさ・・・俺も見たかったよ。みずほの浴衣姿」

「え?」

そう。実は私・・・浴衣を着ていないのだ。
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