演っとけ! 劇団演劇部
 どうやら最後までいかなくても、既にムードはこっちが悪者状態になっていたようだ。
「1点ぐらいで細かい奴だな。よっぽど勝つ自身がないのか」
「んだとぉ。わかったよ、今の1点はサービスでくれてやる!」
 にしても、相手を乗せるのだけは上手い人だ。
 仕切り直して、再びジョーのサーブ。
 今度は大人しくBBチームがレシーブをして、トスを今井に上げる。
「危ない! バナナの皮が足元に!!」
 相田先輩がこりずに叫ぶも、今井は無視してボールに向かって飛ぼうとすると
「ぐはっ」
 思いっきり転んだ。
 足元には本当にバナナの皮が落ちている。
「あ~あ、だから注意したのに」
「な、なんでこんなところに…」
 解説するまでもないが、相田先輩の仕業だ。みんながボールを追っている最中に目にも留まらぬ早業で、今井の足元にバナナの皮を置いたのだ。
 そのスピードを正々堂々と使うことは出来ないのだろうか、この人は。
 律儀に転ぶ今井も凄いが。
 第2セットは、終始この調子で試合が進み、気付くと15―13でCCチームが勝っていた。
「よーし、よし、よし!」
 一人ご機嫌な相田先輩。
 僕以外のチームメイトもあまり納得していない。
「先輩、何なんですか。今の戦いは」
 正々堂々がモットーの利一君が、コートチェンジの隙に抗議を申し出た。
「もっとまじめに戦ってこそ真の男の勝負と言うものでしょう」
「そ、そうですよ! これじゃあ、勝ったってちっとも嬉しくないですよ!」
 男の勝負はどうでもいいけど、僕も一緒に先輩を責める。
「じゃあ、君たちは彼ら相手に正攻法で勝てると思ってるか? それで彼女たちを守れるのか?!」
 ぐっ、確かに。
 隣の利一君も口をふさぐ。
 
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