俺様外科医の極甘プロポーズ
翌朝私は小ぶりのスーツケースに荷物を詰め込んでマンションを出た。壱也先生には泊りで研修にいくとだけ伝えている。
それは嘘ではない。ただ、晴也先生と一緒だということは伏せることにした。
なにかと晴也先生に対しては疑念があるらしく、もし正直に言えば十割の確率で神戸行きを反対されるだろうと思ったからだ。
始発電車に乗り込んで品川駅で降りると新幹線のホームへと向かう。平日の朝だというのにずいぶんと込み合っていて、スーツを着た男性はみなパソコンを片手に何やら作業をしている。
両親ともに専門職で、医療業界しか知らない私にとって、企業勤めの人たちがどんな風かをしらない。なんだか違い世界を覗けたような気がしてとても新鮮な気持ちになった。
神戸までの時間はとても長く感じた。途中景色を楽しむことはできたけれど、それにも飽きてしまい退屈で仕方がなくなった。こんな時、隣に壱也先生がいてくれたならと思うけれど今回ばかりはそんなことを言ってはいられない。
コンビニで買ったおにぎりを朝食代わりにして、私は到着までの数時間仮眠をとることにした。
新神戸で新幹線を降りるとホームで晴也先生が待っていてくれた。
「お疲れ様です」
「お疲れ様。ここからまた電車に乗るよ」
「はい。私、先生についていきます」