俺様外科医の極甘プロポーズ
学会会場までは電車を乗り継がなければいけない。晴也先生は何度も来ているらしく、慣れた様子で駅の構内を歩く。
「神戸は初めて?」
「はい」
「じゃあ、夜はお肉でも食べに行こうか」
「いいんですか? よかった。知らない街でひとりで夕ご飯食べなきゃいけないなんて、どうしようかと思っていたんです」
「そんな心配してたんだ。かわいいね。いくら何でもひとりにはしないよ」
晴也先生はおかしそうに笑った。やっぱり先生はいい人だ。壱也先生との相性は悪いかもしれないけれど、それはああいう事情があるからで誰にでも悪さをするような人じゃない。
乗り換えの駅のコインロッカーに荷物を預けると電車を乗り換えて会場前で降りる。駅前はすごい人だかりだった。
「まずはメイン会場で受付を済ませてそれから自由行動にしよう」
先生に言われるがまま私は受付を済ませ、プログラムと参加者用のパスを配布してもらう。
「僕は聞きたい講演があるんだ。看護師さんの研究発表も隣の会場でやっているからそっちを聞きに行ったらいいよ。なにかあったら電話ちょうだい」
「はい。わかりました」
晴也先生とはそこで別れ、私はプログラムを見ながら見聞きしたいブースをあれこれ歩いて回った。
とても勉強になったし、企業や製薬会社の展示ブースでは試供品や文房具などを山のようにもらった。
あっという間に一日が終わり、私はメイン会場の入り口で晴也先生と落ち合った。