俺様外科医の極甘プロポーズ
「帰りはたぶん、混みすぎて電車には乗れないと思う」
なんでも駅の外まで列をなすくらい混雑するらしい。確かに何千人という医療関係者があんなに小さな駅に集中するのだからパンクするのもうなずける。シャトルバスも同様で、かなり並ばないと乗れないようだ。
「じゃあ、並ばないといけませんね」
私は小さくため息を吐く。歩き疲れて足が棒だ。なれないパンプスも痛い。正直ここにしゃがみこみたいくらいには疲れている。
「だから、タクシー予約しておいた」
「さすが晴也先生!」
そう褒めたのは本心で、私は完全に晴也先生への警戒心を無くしていた。
晴也先生が呼んだタクシーに乗り荷物を預けた駅で降りる。そこからまた移動して晴也先生のおすすめのレストランへと向かった。
そこは有名な鉄板焼きのお店で、先生はA5ランクの神戸ビーフのコースを注文してくれた。
目の前で焼かれるお肉は、今までに食べたことがないくらい柔らかかった。もちろん味も絶品で、ソムリエお勧めのワインがとてもよく合った。
「ああ、幸せ」
「そういってもらえてよかったよ」
「晴也先生には本当に感謝しているんです。学会に連れてきてくれただけじゃなくて、こんなにおいしいご飯もごちそうしてくださって、どうもありがとうございます」
「どういたしまして。じゃあ、そろそろホテルへ行こうか」
「はい」
先生が予約してくれたのは趣のあるホテルだった。そしてそこで、思ってもいないトラブルが発覚する。