俺様外科医の極甘プロポーズ
「……ですから、柏瀬様はダブルを二名様でご予約いただいています」
「そんなのおかしいですよ。ダブルをひとりずつでとお願いしたはずです」
「そうはもうしましても、こちらは確かにそう承っておりますので……」
フロントの女性は低姿勢ながらもホテルのミスにはしないようだ。あくまでもこちら側の勘違いということにしたいらしい。
「そうですか。では、もうひと部屋用意してください」
根負けした晴也先生は代替え案を出す。けれど、フロントの女性は申し訳なさそうな顔で静かに頭を下げる。
「大変申し訳ございません。本日は満室でございます」
「……そうですか」
肩を落とした先生に私はこんな提案をする。
「先生。先生はここに泊まってください。私が別のホテルを探します」
もとはといえば、宿泊の予約まで先生に任せきりだった私が悪い。泊まる権利があるのは先生の方だ。
「そういうわけにはいかないよ。君がここに泊まって。僕が他を探そう」
「……でも、私が他を探します!」
「いいから俺に従って!」
そう強く言われて、私は黙った。
晴也先生はスマートフォンを使って、今から泊まれるホテルを探した。けれど、学会のためかどこのホテルも満室だといわれてしまった。