俺様外科医の極甘プロポーズ
「こまりましたね」
「こまったな。……野宿かな」
先生はいいながらスーツケースを手に持った。ふと外を見ると、いつの間にか雨が降り始めている。
「先生にそんなことさせられません!」
私は先生を引き留めてこう提案した。
「先生さえ嫌じゃなければ、同じ部屋に泊まりませんか?」
フロントでカギを受け取り、エレベーターに乗り込むと十階のボタンを押した。
部屋の中はとても広かったのだけれど、ひとり用のソファーが二つあるだけで、横になれるようなものではなかった。
私は自分の提案を後悔し始めていた。
「花村さん」
「は、はい」
「先にシャワーどうぞ」
先生はネクタイを緩めながら言った。
「いえ、先生からどうぞ」
「そう。じゃあ、先に使わせてもらうね」
バスルームに入っていく先生を見つめながら、私は大きなため息を吐く。どんな事情があっても、同じ部屋になんて泊まるべきじゃなかったかもしれない。