俺様外科医の極甘プロポーズ
それから部屋を出て、パントリーに置いておいた冷めた朝食をレンジに入れた。

すると出勤していた田口さんが私の姿を見つけて駆け寄ってくる。

「おはようございます、花村先輩」

「おはよう」

「死神どうでした?」

「ああ、熱が少しあるみたい」

 これから上がらなければいいけれど。そんなことを思っていったのに、田口さんはつまらなさそうな顔をする。

「そうじゃなくて、なにかされませんでしたか?」

「なにかって?」

「お尻触られたりとか」

 みんなの噂話では、とんでもないゲス男になっているけれど、そもそもそんなことをするような人ではないはずだ。

「されてません」

「なんだ~つまんない」

「つまらない? じゃあ、田口さんが先生の担当する? 興味があるなら喜んで代わってあげる」

 私だって好き好んで壱也先生の担当看護師になったわけではないし、使命感に突き動かされて仕事をしているだけだ。やりたい人がいれば譲る気は大いにある。

それなのに田口さんは「いえいえ、結構です!」といいながらぶんぶんと頭を横に振った。

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