俺様外科医の極甘プロポーズ
午後になり整形外科の先生の診察が終わると、私は追加でオーダーされた点滴をもって先生の部屋に向かった。緊張は取れないけれど、先生は患者と十回くらい念じれば、どうにか落ち着けた。
「失礼します。お熱を……」
「変わりない」
「変わりない?」
先生が指さした方をみると、体温計が置かれていた。
「測っておいてくださったんですか?」
「そうだ。誰だと思ってるんだ」
「ありがとうございます。助かります。……ええと。三十七度六分ですか。まだ少しありますね。晴也先生に報告……」
「しないでいい」
「でも」
主治医に報告しないでいいというのは患者が決めることではないのに。そう思って壱也先生をちらりと見ると、
「いい」と念を押される。私はしぶしぶうなずいた。
「自分の体のことは自分で決める」
「はいはい。じゃあ、追加の点滴はどうしますか?」
私は持ってきていた点滴のソフトボトルを先生に見せた。
「それはつないでいい」
「……はい」
私は言われたとおりに、新しい点滴を繋ぎ変える。