俺様外科医の極甘プロポーズ
「失礼します。先生、花村です」
「遅い」
先生はベッドに座ったまま、私を待ち構えていたようだ。腕を組んだまま、ぶっきらぼうに言う。
「今日退院だ」
「そうなんですか。よかったですね」
おそらく退院は自分で決めたのだろう。けれど、まさかそんなことを言うためだけに呼び出したわけではないはずだ。嫌な予感がする。
「あの先生。私を呼んだのって」
「ロッカーにさ」
いいながら先生はカギを差し出した。私はそれを反射的に受け取る。
「俺の私服が入ってるんだ。靴もね。ついでにノートパソコンと資料も一緒にとってきて。医局に入って正面右奥が俺のデスクだから」
「私がいくんですか?」
医局まで、先生の荷物を取りに⁉
「お前のほかに他に誰がいるんだよ」
いいから行けと顎で指図され、私は仕方なく医局へと向かう。すると途中の廊下で、晴也先生とすれ違った。