俺様外科医の極甘プロポーズ
病院からタクシーで約十分。着いたのは低層のデザイナーズマンション。私は先生を車いすに乗せる。それから、スロープを伝って中に入るとエレベーターに乗った。
まさか、家まで送り届けることになろうとは。
なにが看護師の使命を全うしますだよ。ばか、私のばかばかばか!
「五階を押して」
「はい」
私は一番上のボタンを押した。つまり、先生の部屋はペントハウスということだ。最上階のフロアーに降り立つと、玄関ドアはひとつだけだった。
表札にはローマ字でKASHIWASEとある。渡された鍵でドアを開け、車椅子を押して中に入った。
「ありがとう。ここからは松葉づえで行けそうだ」
先生は靴を脱ぐと車いすから降りる。そして松葉杖を使い器用に廊下を進んでいく。私はその背中を見てほっと息をついた。
「じゃあ先生。お大事に」
もう帰っても問題ないだろうと思い車いすをたたむ。けれどそう簡単には開放してもらえないようだ。