俺様外科医の極甘プロポーズ
「す、すみません」
「お、押すな。バランスが崩れ……」
ドシンという大きな音とともに、先生は床に倒れ込んだ。もちろん私を抱いたまま。
幸い私にはけがはなかったけれど、先生は違った。急いで病院に舞い戻ると、整形外科を受診した。
「……だいぶ腫れてますね先生」
「そうですね」
壱也先生は腫れあがった足を見て、嘆息する。
「痛みます?よね」
整形外科の先生が腫れた足をチョンと触ると、壱也先生は苦痛に顔を歪めた。
「レントゲン取りましょうか」
私は先生に付き添って放射線科まで行く。みんなの視線が痛い。だけど、これは私が引き起こしたことだ。逃げ出すわけにはいかない。
「幸い骨折はありませんでした」
どうやら折れてはいなかったようだ。私はほっと胸をなでおろす。
「ねん挫ですね」
壱也先生が言った。
「そうですね。しばらく歩行は困難になりますけれど、入院しますか壱也先生?」
整形外科医は入院を勧めた。私も独り暮らしの壱也先生にとって、入院することが最善策だと思う。(病棟の看護師たちにとっては恐怖だけれど)それなのに、先生は首を横に振った。
「いえ、自宅療養で大丈夫です。幸い専属看護師がいますから。ねえ、花村ナース」
「私ですか⁉」
「他に誰がいるんだよ」
先生の怪我の原因を作った私に断るすべもなく。先生の足が治るまでという約束で、私は柏瀬壱也の専属看護師を継続する羽目になってしまった。