俺様外科医の極甘プロポーズ
私は先生からお金をもらって、近所にあるスーパーマーケットへ買い物に出る。おしゃれな店構えでよく知るスーパーのそれとはまったく違う。
黒いボードに白のマーカで書かれた値札。きれいにスプレイされた果物や野菜。プレミアムと称された産地限定の国
産食材がずらりと並んでいる。時短で作れるサラダとパスタにしようと決めて店内を見て回った。
レタスとキュウリ、トマトと玉ねぎパプリカ。パスタとサーモンほうれん草。あとは調味料。翌朝の朝食用にパンも買った。お会計は約六千円。先生には一万円札をもらっていたので十分に足りる。とはいえ、二食分の食費にしては高すぎる。別に自分のお財布が痛むわけではないのだけれど、なんとなく気分が悪い。そんな自分の庶民感覚が疎ましい。
レジ袋に商品を詰めると、私は店を出た。急いでマンションに戻ると、キッチンでお湯を沸かしながらサラダを作った。
あまり使われていないようだけれど、調理器具はそれなりにそろっているようだった。先生が料理をするイメーはもちろんない。もしかしたら彼女がそろえたものなのかもしれない。
「……彼女ね」
そういえば、先生には特定の女性がいるのだろうか。これだけ顔がよくて医者という肩書があれば、女性が放っておくわけがない。部屋に出入りする女の子くらいいてもおかしくはないだろう。もしそうなら、私がこの部屋にいることで誤解を生んだりしないだろうか。疑われるのはごめんだ。
確かめなければと思った。しかし、先生はリビングでパソコンをいじっている。きっと仕事だろう。なんとなく声をかけにくい雰囲気だった。