俺様外科医の極甘プロポーズ
「恋人はいないの?」

「いません」

「どれくらい?」

 ずっといないだなんていいたくない。私は質問を質問で返す。

「先生こそ、いないんですか? 彼女」

「今はいないね。でも、気になる女はいるよ?」

「そうなんですね」

「興味なさそうだね。まあいいけど。ごちそうさま」

 先生はそういうと、フォークを静かに置いた。

「もしかして、お口に合わなかったですか?」

「いいや、うまかったよ。でも、動かないとおなかもあまり好かなくてね。あとは君が食べてよ。食べ終えたらお茶入れてくれる?」

「……はい」

 先生は私に気を使ってくれたのかもしれない。おなかがすいていた私は、残りを平らげると、いわれた通りにお茶を入れた。

「どうぞ」

「うん」

先生はあい変わらずパソコンから目を離さない。四六時中仕事をしていて疲れないんだろうか。少し心配だ。

「いつもは何時くらいにお休みになるんですか?」

「二時とか、三時くらいかな」

「朝は?」

「五時には起きるよ」

「疲れたりしませんか?」

「もう慣れたよ。病院にいれば仮眠時間でも電話が鳴るし、今は病院の経営も任されているからやることが山積みで寝る時間すら惜しいくらいだ」

「そうなんですね」

「でも君は寝てくれて構わないよ。今日はどうせ入浴できないし、なにかあったら呼ぶから」

「わかりました」

 私はシャワーを借りて休むことにした。

部屋は玄関わきにある六畳ほどの洋室を借り、ソファーベッドに毛布を敷いた。

寝心地は悪くなかった。気づけばもう朝で、飛び起きて顔を洗うとリビングを覗いた。

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