俺様外科医の極甘プロポーズ
仕事が終わると、私はアパートに戻った。
キャリバッグに服とお化粧品を詰め込んで壱也先生のマンションへと向かう。あまり気乗りはしないけど、患者さんが困っているかもと思えば足が向いた。
私ってなんて単純なんだろうと自分でも笑ってしまいたくなる。
先生のマンションの最寄り駅でおり、昨日とは違うスーパーに入った。値段も手ごろで割と安く食材を買いそろえることができた。
渡されていた合鍵で中に入ると、リビングの床に倒れている壱也先生が見えた。慌てて駆け寄る。
「先生! 大丈夫ですか?」
けれど、よく見るとただ寝ているだけのようだった。
「なんだ、よかった」
よほど疲れているのだろう。私が来たことも気づかないなんて。
先生の体にブランケットをかけると、周りに散らばった書類を拾い上げる。
「こんなに散らかして、しょうがないな」
ただまとめておこと思っただけだったけれど、【柏瀬病院経営会議議事録】という文字に目が留まった。
これは、私たち職員に公表されることのない情報だ。悪いことと知りながら、読まずにはいられなかった。