そして、失恋をする
「西田君………」
「………」
「西田君、起きなさい」
「………」
近くから僕を呼ぶ声が聞こえて、閉じていた目をうっすらと開けた。ぼやけた視界の先に、若い女性教諭の姿が僕の目に映った。
「また授業中に居眠りですか、西田君」
深いため息をひとつこぼして注意する、女性教諭の顔は怒ってるよりも呆れていた。
「夏休み明けてから、先週に続いて今日で二回も同じことで注意されてますよ」
「はい」
そう小さな声で返事した僕だが、先週に続いて二回も居眠りというのんきなことをしたのかと思った。
千夏は後三回しか寝れないとLINEの文章に送られてきたのに僕は後、何回寝たら死ぬのだろう。
「次からは、気をつけてくださいね」
「はい」
か細い声で返事した僕だが、どうせ次も寝てて注意されて、死ぬことはないのだから。
「はぁ 」
深いため息をひとつこぼした後、僕は黒板に視線を向けた。黒板には図形や、むずかしい計算式が書かれていた。
数学の授業は、眠たくなる。それは、僕のきらいな授業だからだ。答えがひとつと決まってるし、その決まってる答えを導き出さないとまちがいになるからだ。まぁ、僕自身数学が苦手なだけもあるけれど………。
「はぁ 」
もう一度深いため息をこぼした後、つまらなくて眠たくなるような数学の授業をがまんして受けた。