そして、失恋をする
「ねぇ、陸」

「なに?」

「私たちが知り合ったのも、高校生からだよね?」

「うん、そうだよ」

希の問いに、僕は小さな声で答えた。

希とは高校生のときに出会って、千春を失った過去の失恋に引きずってる僕に気さくに話しかけてくれたのが彼女だった。最初はやさしく声をかけてくれる彼女すら無視していたが、日に日に希のやさしさに僕は話をするようになった。そして、友人と呼べる関係までなった。

「出会った当初は、今みたいに私が話しかけてもまったくしゃべってくれなかったもんね」

「まぁ、そのときは出会ったときだったから」

そう言って僕は、苦笑した。

「だから私、絶対に陸に嫌われてると思ったんだから」

僕と出会ったときの第一印象を頭の中で思い出したのか、希はクスッと笑った。
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