そして、失恋をする
「好きという気持ちにもいろいろあるし、どうだろう。よくわからないかな?」

そう希に伝えた僕の言い方は、とてもあいまいな表現だと思った。

友だちとしては好きだが、恋愛としては好きになりたくない。とても複雑な心境だから、希にそんなあいまいな言い方しかできないのだろうと思った。

「はっきりしない答えだね」

「そうかもしれないなぁ」

たしかに希の言うとおりだと思ったので、僕の口からはその言葉しか出なかった。

「じゃあ反対に聞くけど、希は僕のことをどう思ってるの?」

希に視線を向けながら、僕は自分の胸に指をさして訊いた。

「どうって、どういうこと?」

「僕は、希に嫌われてた?」

「私は出会った当初から、陸のことは嫌いじゃなかったよ」

僕の問いに、希は笑顔を浮かべて言った。

「ほんとう?」

「ほんとうだって。嫌いだったら、話しかけたりなんかしないよ」

希のシンプルの理由を聞いて、僕はそれもそうかと思った。
< 128 / 188 >

この作品をシェア

pagetop