そして、失恋をする
「どうして?」

「なにが?」

「どうして、僕の友だちが女の子方だと予想したの?」

僕はふしぎそうな顔で、右どなりを歩いている彼女に質問をした。

「べつに。ただ、なんとなくそっちに予想しただけ」

さらりとした口調で答える千夏は、ほんとうになにげなく予想したのだろう。

「ただ、理由をつけるとしたら、女の子の友だち方だったら恋人関係で好きでいられるからよかったなぁと思っただけ」

口元をゆるめながら、千夏はなにげない口調で僕に視線を向けてそう言った。

かすかにうるんだ彼女の茶色瞳が、僕の目に映る。

ーーーーー恋人関係。

その言葉を聞いて、僕は亡くなった千春の姿が脳裏に浮かび上がった。

千夏そっくりで、彼女とは恋人関係ではなかった。けれど、僕はたしかに彼女のことが好きだった。
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