そして、失恋をする
「のど、乾いてたの?それとも、体調が悪くなったの?」

僕は、心配そうに彼女に訊いた。

千夏が言うには、彼女の命はもう短いらしい。僕は、そんなことは信じてない。けれど、彼女の健康と、命のことを考えるとどうしても悲しくなる。

「私のこと、心配してくれてるの?」

「あ、あたりまえだろ」

そうはっきりと言った僕の頬が、かすかに赤くなった。

好きだった、”千春〟の存在がはっきりと脳裏によみがえる。

「で、どうなの?」

僕はもう一度、千夏にそう訊いた。恥ずかしかったのか、僕の声は緊張していた。

「体調の方は、だいじょうぶだよ」

「よかった」

千夏の言葉を聞いて、僕は少し安心した。

「ただ、陸君にジュースを買ってもらいと思っただけだから」

あっさりと告げた千夏の理由に、僕は「えっ!」と、ひょうしぬけた声が思わず出た。

自分の鼓動が、早くなるのを感じた。

「なにか、好きな飲み物とかあるの?」

僕は、自動販売機に視線を向けて千夏に訊ねた。

売られている自動販売機の中身は、冷たい飲み物から温かい飲み物まで販売されていた。一番の上の段には、ペットボトルの炭酸飲料水。その下は、缶類の飲料水。それが、交互になって販売されている。
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